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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 地方公務員拾遺物語 【第89号】 〜告訴！〜 2004/6/13 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ このメルマガのコンセプトは、「地方公務員の雑談」。 これは、事実か虚偽か、フツーか特殊か。 すべて読者のご判断に委ねます。 ■もくじ■ 【１】告訴！ 【２】解説 【３】編集後記 _______________________________________________________________________________ 【１】告訴！ とあるまちの公園で、毎夜、遊具が破壊される事件が続発。 担当職員はキレた。 職員Ａ 「部長！昨夜も公園の遊具が壊されました！」 職員Ｂ 「これで７件目ですぜ」 職員Ａ 「子どものための施設を破壊するなんて許せません！」 職員Ｂ 「犯人はわかりませんが・・・夜中、張り込んで、とっつかまえてシメてやりましょう！！」 部長 「それは危険だ。しかし、私も犯人には憤りを感じている。本日付けで、被疑者不明で警察に告訴する。後のことは、私に預けろ！」 職員Ａ＆Ｂ 「はいっ！！」 ・・・数日後。 職員Ａ 「部長。例の事件ですが・・・」 部長 「ああ。犯人は逮捕された。もう、大丈夫だ」 職員Ｂ 「臭い飯、喰ってんだろーな」 職員Ａ 「まさか、こんな軽犯罪で拘留されないですよ（笑）。すぐ釈放されたでしょうね」 職員Ｂ 「でも、ま、ウチが告訴してんだから、タダではすまんだろうよ。いい気味だ」 部長 「その件だが、逮捕後、告訴は取り下げた」 職員Ａ 「は？」 職員Ｂ 「どーしてですかっ！！」 部長 「犯人、若い子だった」 職員Ａ 「だからといって、許したんですか！」 部長 「将来もあるし、反省してるし・・・な」 職員Ｂ 「損害賠償くらい、請求したんでしょうね！！」 部長 「いや。ああ。そうそう。犯人、このまちの住民さんだったんだよ」 職員Ｂ 「んなこと、予想してましたよ！・・・で？」 部長 「自治体が、住民に前科をつけたり、賠償金取るのはどうかな・・・と」 職員Ａ 「んじゃ、何のために告訴したんですかっ！！」 部長 「告訴しなきゃ、警察は動かないだろ」 職員Ａ 「部長。この件、オレに預けろって言いましたよね」 職員Ｂ 「んじゃ、当然、オレたちの納まらない怒りも受け取ってもらえんですよねぇ！」 部長 「こら、まて。話せばわかる」 ______________________________________________________________________________ 【２】解説 公共物の破損に対して、被疑者不明で告訴するというのは、役所が時々使う手段だ。 公共の財産を破壊する者。 道路や壁にスプレーで落書きする者。 公園の砂を盗む者。 （↑ネコのトイレに…） こんな、些細ではあるが、繰り返されると無視できない犯罪。 基本的に、このような被害は、警察に届け出ないと、警察が「犯罪」と、認知してくれることは少ない。 故に、行政機関が告訴することとなる。 しかし、犯人は逮捕してもらいたいが、「犯罪者」を、作りたくはないというのが、地元密着な役所の思考だったりするのです。 で、今回、このような中途半端な対応となってしまったようです。 なんか、割り切れない・・・ ______________________________________________________________________________ 【３】編集後記 ６月８日、飛び込んできた話ですが、イラクで人質となった某氏が、 「イラクへの違法な自衛隊派遣のためにテロリストに身柄を拘束され、苦痛を受けた」 ・・・として、国を訴えたそうです。 以前、 「裁判で行政を訴えて原告敗訴すると、被告（行政）側の必要裁判経費は税金でまかなわれる」 ・・・というネタで、メルマガを配信したことがありますが、今回の裁判の場合、間違いなく原告敗訴で終わるでしょう。 裁判所の人件費から、弁護士費用、果ては判決書の紙一枚までが、税金です。 今回、一体、何十万円、何百万円の経費が税金から支払われるのでしょうか？ 私は、役所で勤めていた時に、一切の税金を無駄にせず、職務を遂行したなどと言う自信はありません。 しかし、住民の財産を意図的に浪費したり、ゴミ箱に投げ入れたりというようなことをしてきた覚えはありません。 税金から利益を受けるのは、役所の人間だけではありません。 これは、裁判費用だけの話ではありません。 公園の遊具や生活インフラも、原資は税金です。 全ての人に考えてもらいたいことです。 Copyright (C)K.K. 2002-2004 All Rights Reserved.
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