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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 地方公務員拾遺物語 【第211号】 〜地方視察〜 2006/10/8 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ このメルマガのコンセプトは、「地方公務員の雑談」。 これは、事実か虚偽か、フツーか特殊か。 すべて読者のご判断に委ねます。 ■もくじ■ 【１】地方視察 【２】解説 【３】編集後記 _______________________________________________________________________________ 【１】地方視察 これは、田舎の自治体での話。 首長が東京出張から帰ってきた時のお話・・・ 首長 「（TELで）おい。駅まで帰ってきたぞ。迎えの車出してくれや」 職員Ａ 「・・・って、予定よりずいぶん早いじゃないですか。黒塗り公用車、議長乗せて出てったままですよ。あと１台のセダンは車検中ですし」 首長 「軽でもなんでもかまわん。とにかく、迎えに来い（ガチャ）」 職員Ａ 「はいはい・・・（溜息）」 職員Ａ氏が、公用車を物色するも、軽トラックだのジープだの、作業用車両ばかりで、乗用車がない。 職員Ａ 「仕方ないなー。ホントに軽貨物で行くか。後ろに、スコップとか積んであるけど、まぁ、いいか・・・」 ・・・と、職員Ａは、軽の箱バンで首長を迎えに出かけた。 駅まで来ると、首長が手を振っている。 首長 「おーい。こっちこっち。」 職員Ａ 「まったく、マイペースなんだから・・・」 首長 「それより、車の後部座席、片付けろ。こちら、○○省のキャリア官僚のＢさん。都道府県庁に行く用事があるっていう話だったから、○○省から案内してきた」 職員Ａ 「・・・って、なんで、ウチのまちに来るんですか。大体、都道府県庁は、新幹線降りたらすぐなのに、なんでローカル線乗り継いで・・・」 首長 「いや、せっかくだから、オレの地元を紹介しようと。あと、こちら、お前も顔くらい知ってるだろ。都道府県議会議員のＣさん。あと副知事のＤさん」 職員Ａ 「はいぃぃぃ！！」 首長 「新幹線降りたら、偶然出会ってな。で、一緒に、ウチのまちの視察・観光でもと、さそったんだが」 官僚Ｂ氏＆Ｃ議員＆副知事Ｄ氏 「こんにちは〜」 職員Ａ 「はいぃぃぃ！！」 首長 「まぁ、そんなところだから、とりあえず、役所まで送れや」 職員Ａ 「だから、そんな人たちをこんな作業車両に・・・って、あ、３人、もう、箱バンの後部座席に座ってるよ」 首長 「何、ぼーっとしとる。行くぞ」 結局、職員Ａ氏は、スコップやつるはしをカーゴスペースに満載した軽自動車に、超えらい人４人を詰め込んで、役所まで送ることとなる。 ちなみに、まちの視察・観光には、急遽、マイクロバスが借り出され、首長、助役以下が乗り込んだ。 ______________________________________________________________________________ 【２】解説 官僚さんが地方に下った時、その地方で何を見てきたかというのは、一種のステータスだといいます。 詳細は不明ですが、 ・その地方に受け入れられたか。 ・その地方をちゃんと知る努力をしてきたか。 ・その地方に影響力を行使できたか。 ・・・などの、評価基準となるみたいです。 もちろん、話題の問題もあるでしょうが（笑）。 特に、都道府県の副知事や総務部長、財政・交付税担当課長は、中央官庁の出向指定席です。 このあたりが着任して、まず最初にすることは、市町村行脚です。 逆に、市町村長はそれを政治的パイプとして、最大限に利用するわけです。 しかし、こんな、適当なことでいいのだろうか・・・ ちなみに、職員Ａ氏の後日談によると、 「えらい人が、軽自動車の中ですし詰めになって、談笑する姿に、どれだけ緊張感と違和感を覚えたか・・・」 ・・・だそうです。 ______________________________________________________________________________ 【３】編集後記 私の先輩が、やはり、えらい人の地方視察の随行カメラマンに借り出されたことがあります。 ま、記念撮影部隊ですね。 視察終了後、顔面蒼白で帰ってきた先輩は、一言。 「途中でカメラにフィルムが入ってないことに気づいた」 ・・・って、仕方ないので、途中から、写真を撮るフリだけしてたそうです。 その後、どう誤魔化したのかは、知りませんが。 Copyright (C)KK 2002-2006 All Rights Reserved.
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