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地方公務員拾遺物語 【第210号】
   〜先手必勝〜
                    2006/10/1

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このメルマガのコンセプトは、「地方公務員の雑談」。
これは、事実か虚偽か、フツーか特殊か。
すべて読者のご判断に委ねます。

■もくじ■
【1】先手必勝

【2】解説

【3】編集後記

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【1】先手必勝

秘書課にかかってきた、1本の電話・・・

TEL 「首長の交際を知りたいので、情報公開請求をお願いしたいのですが」
職員A 「別に、わざわざ、請求いただかなくても、今、申し上げますよ」
TEL 「・・・は?」
職員A 「えーと、ここ5年ほどの予算ベースで、200万。一昨年から半減して100万ですよ」
TEL 「簡単に、教えていただけるんですね」
職員A 「情報の公開は、基本的な役所の仕事ですから。」
TEL 「そう言われると、そうなんですが、いや、もっと閉鎖的かと思ってたんですよ」
職員A 「はは。あと、決算ベースでは、毎年、20万から30万くらいで推移してますね。まぁ、交際費の予算枠だけ大きくとっておくのは、首長の見栄みたいなもんですよ」
TEL 「なるほど。くわしい内容は?」
職員A 「ほとんどは、公職者とその親族の葬式の献花一対です。お香典とかは、首長の個人負担ですし」
TEL 「飲食店とかで、使ってる分は?」
職員A 「そんなの、昭和の頃使い方でしょ?そんな時代錯誤な使い方、しませんって(笑)」
TEL 「ホントですかぁ?」
職員A 「お疑いなら、ホントに情報公開請求書を出してください。請求書も領収書も、一切合切、お見せしますよ」
TEL 「いや、交際費の内容なんて、手続き踏まないと、教えてくれないもんだと思ってましたよ」
職員A 「ははは。予算書や決算書を公共施設で公開してますので、一度見てやってくださいね」
TEL 「いや、失礼しました(電話を切る)」

職員A氏が電話を置くと・・・

職員B 「今回も、先手必勝だな」 
職員A 「はい。9割方話すと、たいてい、納得していただけますからねぇ」
職員B 「まぁ、今、話さなかった残り1割にしたって、法令上は問題ない支出だけどなー」
職員A 「法令上・判例上、問題はなくても、聞いてくる人の価値観次第では、文句言ってくる人、いますから・・・」
職員B 「そうそう、だったら、わざわざ、情報公開請求書出させるよりは、口頭で、いいトコだけ言ってしまったほうが楽だもんなー」
職員A 「まったく、ねぇ」
職員B 「ところで、おまえ、罪悪感はないか?」
職員A 「全然。法令上、間違った事務をしてない自信がありますから」

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【2】解説

情報公開の情報審査事務は、正直、手間がかかります。
だったら、審査不要な公開済み情報は、どんどん出してしまえば良いというのが、情報公開の一方の考え方です。

さて、今回、職員A&Bが、あえて口にしなかったのは、どんな内容でしょう?
予測できるのは、
・イベントへの花代
・スポーツなどの全国大会出場者へのご祝儀
・中央の議員さんへのお土産
・・・てな感じですかね?

ちなみに、判例から言えば、どれも合法です。
しかし、人によっては、それをおかしいと感じる人もいます。
それが、鑑査請求や住民訴訟に発展することは、珍しくありません。

今回の職員A氏&B氏。
正直、それが面倒だったんでしょうね・・・
良いか悪いかは別として。

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【3】編集後記

本編からはかなり脱線しますが、変なお金の使い方のお話。

先日、村山政権で自治大臣を務めた、元・自民党の代議士、野中広務氏の回想録「私は戦う」を読みました。

この本の中で、野中氏は、某・田舎の自治体で地方政治家をやっていた頃、施設竣工式の打ち上げ費用(作業員や職人さんの接待費)が、公費で賄われていた時代があったことを述べています。
(ちなみに、私、結構、役所関係を流れ歩きましたが、正直、そのような例は見たことも聞いたこともありません)

時代というヤツなのですかねぇ・・・

ちなみに、野中氏は、首長就任時に、その事実を知り、驚愕。
行政改革に取り組むとともに、生涯禁酒の約束と引き換えに、宴会費用の一部、100万円を、踏み倒したそうです。
踏み倒したほうも、踏み倒されたほうも、男気いっぱいです。

これも、時代ですねぇ・・・

なお、この時代、その自治体の年間予算は、ほんの数千万円だったとのこと。

これも、時代・・・(ry

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