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地方公務員拾遺物語 【第167号】
   〜資本家と労働者〜
                    2005/12/4

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このメルマガのコンセプトは、「地方公務員の雑談」。
これは、事実か虚偽か、フツーか特殊か。
すべて読者のご判断に委ねます。

■もくじ■
【1】資本家と労働者

【2】解説

【3】編集後記

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【1】資本家と労働者

居酒屋にて。
これは、土木作業員の若者と、土木系公務員の会話。
2人とも高卒で、まだ、20歳前後・・・

作業員 「いいよなー、おまえら、給料、良くて」
公務員 「何言ってんだ。今、土木作業員の雇用単価が日当1万3千円だから、月20日働きゃ、26万円。オレより10万以上は高いじゃねーか」
作業員 「違う。オレの日当は9千円だ。だから、20日働いても18万円。ボーナスがないから、お前のほうが、給料、高いんだよ」
公務員 「今、お前が仕事してる現場は、オレが設計・計算した。落札率は97%。だから日当は、ほぼ1万3千円にならなきゃおかしい」
作業員 「そんな理屈どおりに行くかよ」
公務員 「理屈どおりに行かないということは、途中で親方にハネられてるってことだよな。いわゆる、搾取というヤツだ」
作業員 「・・・」
公務員 「少なくとも、オレは、適切な価格で仕事を発注した。オレを妬むんじゃなくて、親方を恨め」
作業員 「・・・なんか、無性に、お前に腹が立つんだが」
公務員 「それを逆恨みと言う」
作業員 「・・・」

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【2】解説

役所では、工事単価を積算する時、
1、使用する材料の価格や人件費を全国(もしくは地域)の市場価格の平均値に求める。
2、1で求めた金額に必要な材料の数量や人員の作業日数をかける。
3、2の金額に、諸経費率をかける。
・・・という方法を使います。
(ちょっと乱暴な説明ですが)

通常、3の諸経費は、企業の必要経費のほか、企業の「もうけ」を想定しています。
つまり、ココを削ることで、入札金額の差が出てくるはず・・・なのですが(苦笑)。

現実には、材料の仕入値を削ったり、人を安く雇ったりという「企業努力」をすることで、入札金額(工事金額)を下げることができます。
また、高額で落札した場合でも、実際の人件費を削ることで、その分を企業の利益に回すことがあります。

後者が、経済用語で言う「搾取」。
いわゆる「ピンはね」です。

正直、公共工事の諸経費(歩掛り)は、結構高く設定されていると言われています。
ですので、今回のネタように落札率が90%代後半で、実際の人件費が削られているという場合、明らかに労働者は搾取されています。
そうでないなら、相当、仕入でドジ踏んでいるとしか言えません。

土木作業員のみなさん。
あなたの親方の乗っている高級乗用車は、あなたたちが本来もらうべきお給料が、姿を変えているのかもしれませんよ。

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【3】編集後記

公共工事=高い落札価格というイメージがあります。
しかし、2年ほど前、建設経済研究所の行なった抽出調査では、48%の自治体で最低落札価格(失格寸前の最低価格)での落札が発生しているそうです。

新聞沙汰になるような経済犯罪が公共事業の全てではありません。

もっと・・・いや、やめとこ。

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                    発行者:K.K.
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