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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 地方公務員拾遺物語 【第152号】 〜消すのはどっち〜 2005/8/21 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ このメルマガのコンセプトは、「地方公務員の雑談」。 これは、事実か虚偽か、フツーか特殊か。 すべて読者のご判断に委ねます。 ■もくじ■ 【１】消すのはどっち 【２】解説 【３】編集後記 _______________________________________________________________________________ 【１】消すのはどっち まだ、終戦後、間もない頃。 とある田舎。ムラ（集落）の寄り合い。 消防の話で、ひと悶着。 村人Ａ 「消防団の若い連中は、火事もないのに、みんなで酒飲んで騒いどる」 村人Ｂ 「ふむ」 村人Ａ 「しかし、ムラからは、毎月、消防団に金を出しとる」 村人Ｂ 「ふむ」 村人Ａ 「なんか、納得がいかん。消防団に金を出すのはやめよう」 村人Ｃ 「いや、それはどうかと思うぞ。もしもの時の備えだぞ」 村人Ａ 「オレは反対だ」 村人Ｃ 「大体、オレたちも若い頃、同じように消防団で集まって、酒、飲んどったでないか」 村人Ｂ 「ふむ。そりゃそうだ」 村人Ａ 「何を言うか、オレたちの若い頃は・・・」 結局、この話は、消防団からの意見を聞いてから、検討することとなった。 もちろん、消防団としては、面白くない。 ところで、この村人Ａ氏とＣ氏。 同じ通りに、１軒、他のお宅を挟んで住んでいる。 そして、ある夜、村人Ａ氏とＣ氏に挟まれた家から出火。火事となる。 村人Ａ 「消防車はまだか〜！」 村人Ｂ 「今、呼びに言っとる！」 そう、この時代、道路事情も悪く、消防車の到着は、田舎へ行くほど遅かった。 そんな中・・・ 村人Ｂ 「うぉ〜い。消防団が来たぞ〜」 大八車に手押し式ポンプを乗せ、消防団10人ほどが走ってきた。 消防団長 「よーし。水利確保。放水開始っ！！」 団員 「団長。火の勢いが強く、出火元の全焼は不可避です！」 消防団長 「よしっ！出火元の消化を断念し、延焼防止に重点を移す」 団員 「はいっ。しかし、お隣りはＡ氏とＣ氏の２軒がありますっ！」 消防団長 「出火元とＣ氏宅の間に放水を集中し、Ｃ氏宅への延焼を防げっ！！」 団員 「はいっ！」 村人Ａ 「おいっ！ウチは放っておくのかっ！！」 消防団長 「消防ポンプは１台しかないっ！」 村人Ａ 「そんな・・・」 団員 「（寄り合いで、あんなコト言うからだよ・・・）」 ______________________________________________________________________________ 【２】解説 危機管理のための投資は、平時の無駄。 しかし、それをおろそかにしようとすると・・・ はい。こんなもんです。 古代中国の某・有名書物にも、 「百年兵を養うは、ただ一日の用にたてんがためなり」 なんて書かれています。 消防・警察・自衛隊。 大事にしましょう・・・ ______________________________________________________________________________ 【３】編集後記 ちなみに、私の田舎の某・集落での話。 消防団の入団勧誘を断った若者の家の隣りの家が出火した時、同じように、消火の優先順位を落とされ、若者の家が類焼したなんて伝説も残っています。 Copyright (C)KK 2002-2005 All Rights Reserved.
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