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_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 地方公務員拾遺物語 【第136号】 〜ネコ〜 2005/5/1 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ このメルマガのコンセプトは、「地方公務員の雑談」。 これは、事実か虚偽か、フツーか特殊か。 すべて読者のご判断に委ねます。 ■もくじ■ 【１】ネコ 【２】解説 【３】編集後記 _______________________________________________________________________________ 【１】ネコ ある日、田舎のとある役場に、住民が一匹のネコを持ってきた。 住民 「あのー。コイツ、ウチに住み付いた野良ネコなんですが」 職員Ａ 「あれれ。結構、かわいいですね」 住民 「でもね。ゴミを荒らしたり、台所に入り込んだりするんですよ。引き取ってください」 ネコ 「にゃ〜」 職員Ａ 「本当は保健所の仕事なんですけどねぇ。まぁ、今度、保健所に行く時、連れて行きますよ」 住民 「それじゃ、よろしく」 残された職員Ａとネコ。 職員Ａ 「・・・運が悪かったなぁ」 ネコ 「にゃ？」 職員Ａ 「明日、保健所の連中が、こっちに来るってさ」 ネコ 「にゃ〜」 職員Ａ 「そうなったら、おまえも・・・」 ネコ 「ゴロゴロ」 職員Ａ 「なつくなよ。ウチじゃ飼えないんだよ・・・」 ネコ 「にゃ〜」 見つめ合う、一人と一匹。 職員Ａ 「ダメだ・・・」 職員Ａは膝をついた。 そして、翌日。 職員Ｂ 「おい。昨日のネコ、どうした？」 職員Ａ 「逃げました」 職員Ｂ 「ほー。そうか、逃げたのか」 職員Ａ 「はい。逃げました」 職員Ｂ 「まぁ、公式には逃げたってことでいいさ。んで、本当のところはどうなんだ」 職員Ａ 「・・・隣町の山の奥に放しました。野性があれば生きていくでしょう」 職員Ｂ 「ふん。まぁ、そんなところだろうな」 職員Ａ 「自己満足ですよ。良心への責任逃れともいいますが」 職員Ｂ 「まぁ、生きるチャンスは与えたんだ、それでよしとしようや」 ______________________________________________________________________________ 【２】解説 飼えなくなった動物の処分。 小さな役所では保健衛生担当の仕事です。 動物の命を奪うことの手伝いをするこの業務。 嫌われ仕事のひとつです。 でも、どうしてもこの業務ができない職員もいます。 そんな時は、こんなことも起こってしまします。 人間ですもの・・・ ちなみに、この職員Ａ氏。 上司に、「始末書を・・・」と切り出したところ、たった一言。 「何もなかったんだろ」 人間ですもの・・・ ______________________________________________________________________________ 【３】編集後記 以前、私の勤務した自治体で、ある一匹の犬が引き取られました。 自分の行く末を悟ってか、悲しげな鳴き声。 ホント、聞くに堪えなかった覚えがあります。 若い女性職員など、 「お願い、誰か、助けてあげて」 ・・・と犬と一緒に泣いていましたよ。 一部で業務が麻痺していました。 はい。 役所では、多くの部署で、命を取り扱います。 私も、人間の生命を取り扱ったことがあります。 いつか、このことも書きたいとは思っていますが、とても表現できないのが実情です。 公務員を目指しているみなさん。 覚悟して受験してください。 Copyright (C)KK 2002-2005 All Rights Reserved.
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